Pythonにはフレームワークがいくつも用意されていますが、AIにもフレームワークが用意されています
Pythonに興味を持った方の多くは、AIを実装してみたい、と思った方が多いのではないでしょうか?
私自身、Pythonを学び始めたのは、AI開発を行いたいからです。
この記事では、PythonのAIフレームワークについて解説をしていきたいと思います
AIのフレームワークを使うことで、PythonでAI開発を手軽に行うことができるようになります
筆者について
2021年から本格的にPython学習を始め、今ではPythonによる収益化に成功
大学院時代には、R言語とPythonを使って統計処理を行っていたため、Pythonを使ったデータサイエンスの知識が豊富
医療データを機械学習を用いて解析したり、学会発表も行なっている
Contents
PythonのAIフレームワーク

PythonにはAIフレームワークがいくつも用意されています
どのフレームワークを使うかは、開発する目的に応じて選ぶ必要があります
ここでは、PythonのAIフレームワークの、それぞれの特徴を紹介していきたいと思います
- TensorFlow
- PyTorch
- Keras
- Chainer
- MXNet
- Gluon
ライブラリとして紹介されているものやフレームワークとして紹介されているものなど、さまざまです
今回は、可能な限りフレームワークについて言及していきますが、中にはAIフレームワークではなくライブラリに分類されるものもあるかと思います
ただし、ライブラリに分類されていても、AI学習に使うことはできます
TensorFlow

TensorFlowはGoogleが開発した、最も使用されているオープンソースのAIフレームワークです
機械学習やディープラーニングに対応しています
元々はテンソル計算を行うために開発されたライブラリですが、計算処理が可能であること、ニューラルネットの関数が豊富なフレームワークです
PyTorch

PyTorchは、Facebookが開発したディープラーニング向けフレームワークです
PyTorchでは、柔軟なニューラルネットワークの記述が可能で、ディープラーニングの中でも人気のあるフレームワークです
PyTorch自体はNumpyに操作方法が似ているため、Numpyを使用したことがある方であれば、スムーズに利用することができます
また、PyTorchの情報は豊富にあり、書籍もあるため、必要な情報を必要なタイミングで入手しやすいAIライブラリです
Keras

KerasはTensorFlowやPyTorchなどをバックエンドにして、より簡単にニューラルネットワークを実装できるようにしたAIフレームワークです
Kerasはプログラミング初心者の方でも実装可能なように、わかりやすく作られているので、AI・機械学習・ディープラーニングを学習し始める方におすすめのAIフレームワークです
Chainer

Chainerは、ディープラーニングを行うためのオープンソースのフレームワークです
日本の企業が開発したことから、日本語での資料が多く、AI初学者にとっては、学びやすいフレームワークになっています
Chainerでは、Pythonを使って、モデルを定義し、学習や評価を行うことができます
拡張機能を使うことで、より深い学習モデルを開発することができます
- 画像認識を行なう際にはChainerCV(コンピュータービジョン)
- 化学・生物学分野を行なう際にはChainer Chemistry
- 強化学習のためにはChainerRL(Reinforcement Learning)
MXNet

MXNetは、高速かつ拡張性のあるマルチプラットフォームのニューラルネットワークフレームワークです
MXNetは、多くのプログラミング言語をサポートしており、さまざまな用途で使用されており、MXNetの主な特徴は次のとおりです
- 軽量で高速なニューラルネットワークを実装するための豊富なツールセット
- ハイパフォーマンスな分散トレーニングを実現するための並列化されたバックエンド
- ハードウェアアクセラレータ (GPU、FPGA、ASIC) をサポートしており、高速なニューラルネットワーク実行を可能にする
- 多数のプログラミング言語をサポートしており、Python、R、Julia、Scala、Perl、C++、Go、Lua、Java、Ruby、Matlabなどをサポート
MXNetは、画像分類、自然言語処理、音声認識、リアルタイム画像セグメンテーション、生体識別など、さまざまな分野で使用されています
Gluon

Gluonはすでに構築済の最適化されたネットワークコンポーネントを利用し、学習モデル定義のためのAPIを提供します
Gluonはシンプルで簡潔なコードで構築することができ、学習しやすい特徴があります
また、Pythonを使用することで、高度なニューラルネットワークを簡単に構築したり、トレーニングしたり、評価したりすることが可能です
Pythonのフレームワークとは

ここまでで、Pythonで使用することができるAIフレームワークについて紹介をしました
そもそもPythonのフレームワークとはなんなのか?という点をここからはお伝えしていきたいと思います
フレームワークは枠組みのこと

フレームワークは、枠組みとして説明されることが多いです
例えば自動車を想像してみてください
自動車には、ボディなどの枠とエンジン・ハンドル・シートなど様々なパーツが組み合わさることで、一つの自動車が完成していきます
この時のボディの枠がフレームワークと呼ばれるものになります
つまり、フレームワークを使用することで、開発する製品の枠組みを大まかに作ることができ、あとは必要な機能を組み込んでいくだけになります
代表的なフレームワーク

PythonにはAIフレームワーク以外にも、代表的なフレームワークがいくつかあります
- Django
- Flask
- bottle
Django
DjangoはWeb開発用のオープンソースフレームワークです
後述するFlaskよりも機能が豊富に用意されており、人気の高いフレームワークです
Webサービスで頻繁に使うサービスなどの機能が用意されているので、開発時間を短縮することができます
例えば、管理画面の作成やログイン画面、サイトマップなどの機能がすでに用意されています
また、DjangoではMVTモデルを採用しています
- M;Model-データベースのカラム設定
- V:View-Webからのリクエスト処理・データベース情報の更新
- T:Template-HTMLなどを用いて、Viewから渡されたデータを表示
Flask
FlaskはDjangoに比べ、用意されている機能は最小限になっています
機能が最小限のため、プログラミング初心者でもすぐに使うことができる一方で、データベース機能など様々な拡張機能を有しています
Flaskを使うことで、Linebotを開発することができますので、Linebotを開発してみたいと考えている方は、ぜひ利用してみてください
bottle
bottleはDjango、FlaskよりもシンプルなWebフレームワークです
公式サイトでは、以下のように説明されています
「Bottle is a fast, simple and lightweight WSGI micro web-framework for Python.(Bottleは早くてシンプルで軽量なWSGI(Web Server Gateway Interface:通称ウィズギー)WEBアプリを作るための仕組みを提供するPythonのWEBフレームワークです。)」
bottleはシンプルであるが故に、動作が高速であるというメリットがあります
また、DjangoではMVTモデルが利用されており、複数のPythonファイルが必要でしたが、bottleは、1つのPythonファイルで構成されています
簡単なWebサービス開発を目指している場合には、bottleの利用がおすすめです
フレームワークは枠組みでライブラリは部品

フレームワークと一緒に説明されることが多いのがライブラリです
フレームワークは自動車で例えるとボディなどの枠でしたが、ライブラリはその中に収まっているエンジンやハンドル、シートなどの部品を指しています
ライブラリは、よく使われている機能を1つにまとめられたコードを指しており、必要に応じて選択することができます
ライブラリを使用することで、開発の自由度が高まり、開発の柔軟性が向上します
また、必要な機能がまとめられているので、開発効率も向上させることができます
PythonでAIフレームワークを使うメリットとデメリット

PythonのAIフレームワークやライブラリとの違いについては、理解できたかと思います
ここからはPythonでAIフレームワークを利用するメリット・デメリットについて解説をしていきます
メリット

PythonのAIフレームワークを利用するメリットは、次の通りです
- 作業効率の改善
- コードの統一性
- バグ減少
作業効率の改善
AIフレームワークを利用することで、作業効率を改善することができます
フレームワークには、テンプレートやクラス、ライブラリ、APIなどがすでに構築されています
そのため、自分でコーディングする内容が減るため、作業時間を短縮することができ、作業効率を改善することができます
コードの統一性
また、フレームワークを利用することで、コードに統一性を持たせることもできます
フレームワークは共通のルールみたいなものなので、開発者によってコードの書き方にばらつきが出ることはありません
そのため、エンジニア毎のコーディングの違いを減らすことができます
バグ減少
フレームワークを利用することで、バグ減少にも繋がります
フレームワークには、ライブラリやクラスがすでに用意されており、自分でコーディングする内容が減ります
そのため、必然的にバグの発生要因も減らすことができるため、結果としてバグ減少につながっていきます
デメリット

メリットがある分、デメリットも存在します
PythonのAIフレームワークを利用するデメリットは、次の通りです
- 学習コストがかかる
- 有料フレームワークがある
- フレームワークに依存しやすい
学習コストがかかる
PythonのAIフレームワークを使うためには、Pythonの基礎知識 + フレームワークの知識が必要になります
そのため、Pythonの基礎知識と並行してフレームワークについても学ばなければいけないため、学習コストがかかってしまいます
しかし、一度理解してしまえば、Webサービスの開発時間を短縮することができるため、フレームワークについて学んでおくメリットは大きいです
有料フレームワークがある
Pythonのフレームワークの中には、有料のものもあります
今回紹介しているものは、無料で使えるので、そこまでのデメリットにはなりません
紹介しているフレームワーク以外で使用する場合には、有料・無料の確認はしておくといいですね
フレームワークに依存しやすい
Pythonのフレームワークに依存しやすいという点も、フレームワークを利用するデメリットと言えます
フレームワークには、すでに必要とされているものが備わっているため、自分でコーディングする必要がありません
そのため、ある機能を実装する際に必要な知識がなくとも実装することができてしまい、フレームワークを利用しないとその機能を実装することができなくなってしまうというデメリットが挙げられます
市場規模

Pythonを学び、エンジニアとして就職・転職を視野に入れている方も多いと思います
2030年までにIoTやAIエンジニアは55万人程度不足すると言われています
そのため、フレームワークの市場規模としては、フレームワークを使った開発は今後も需要が拡大すると考えられます
しかし、フレームワークには流行があるので、知識をアップデートし続ける必要はあります
求人・案件数

日本国内におけるPythonエンジニアとしての求人や案件数どれくらいなのでしょうか?
IT求人ナビフリーランスでPythonの求人数を見てみると、約1万5千件ほどあります
そのうち、約2200件がDjangoを使用した案件になっています
また、ランサーズでPythonを使った案件を確認してみると、約5200件ほど公開されています
そのほかのプログラミング言語で比較していきたいと思います
求人数 | 案件数 | |
PHP | 228件 | 29,095件 |
Swift | 22件 | 2,306件 |
C言語 | 20件 | 336件 |
Go | 117件 | 92件 |
Java | 325件 | 6,982件 |
JavaとPHPは様々な場面で活用されることから、求人数も案件数も豊富に揃えられています
PythonでAIフレームワークを勉強する方法

PythonでAIフレームワークを学ぶ方法はいくつかあります
- 書籍で独学を行う
- Web教材で独学を行う
- プログラミングスクールに通う
1つずつ解説をしていきます
書籍で独学を行う

書籍を使って、PythonのAIフレームワークについて学ぶ方法はハードルが低く、プログラミング初心者の方におすすめの独学方法です
また、フレームワークを学ぶには、Pythonの基礎を理解しておく必要があります
私がPythonの基礎知識を学ぶのに、参考にしたのは、次の書籍です
そのほかのおすすめ書籍や、Pythonの分野別書籍は、以下の記事で紹介しているので参考にしてみてください

Web教材で独学を行う

YouTubeやUdemyなどのWeb教材を活用することで、PythonのAIフレームワークを学ぶことが出来ます
どちらも動画教材ですが、Youtubeは基礎、Udemyは応用を学ぶことが出来ます
まずはYouTubeでPythonに触れてみて、独学で学び進められそうだな、と感じたら、Udemyの有料教材を購入するのがおすすめです
そのほかに、ProgateやPaiza、ドットインストールもあるので、そちらも合わせて利用すると、学習効果が高まります
Progate | Paiza | ドットインストール | |
動画教材 | なし | あり | あり |
環境構築 | なし | あり | あり (ブラウザで利用可能) |
対応言語 | 16言語 | 31言語 | 15言語 |
月額料金 | 1,078円/月 | 1,078円/月 | 1,080円/月 |
教材数 | 無料会員:18 有料会員:84 |
無料会員:81 有料会員:1,417 |
無料会員:370 有料会員:7,000 |
質問機能 | 無料会員:なし 有料会員:なし |
無料会員:なし 有料会員:あり |
無料会員:なし 有料会員:あり |
講師 | 無料会員:なし 有料会員:なし |
無料会員:なし 有料会員:あり |
無料会員:なし 有料会員:あり |
プログラミングスクールに通う

PythonのAIフレームワークをより学びたい場合には、プログラミングスクールに通うのがおすすめです
Pythonは独学で学ぶことができるプログラミング言語ですが、独学では時間がかかってしまうのと体系的に学ぶことが出来ません
自分の興味・関心のある部分を、つまみながら学習するため、Pythonの本質を理解するまでにも時間がかかってしまいます
そのため、費用はかかってしまいますが、プログラミングスクールの活用がベストです
スクールに通いながら、受けられそうな案件を受けることで、スクール代を回収することもできるので、ぜひチャレンジしてみてください
プログラミングスクールに通うことで、漏れなく体系的にPythonやPythonのAIフレームワークについて学ぶことができます
.Pro

.Proでは「Python」のカリキュラムを4年前に作成して以来、常にアップデートを行っており、近年では業務効率化にも幅を広げています
AIやwebサービス・機械学習を学ぶ、プログラミング特化コースです。
.Proがおすすめなのは、
- プログラミング未経験だけど新しく挑戦したい
- 人とコミュニケーションをとるのが苦ではない
- すぐにでも転職できる実践型スキルを本気で身につけたい
といった人たちです
特に、.Proを受講する方の約9割はプログラミング未経験の方なので、初めてプログラミングに触れる、といった方でも安心して受講することが出来ます。
.Proの受講期間は6ヶ月と長期であるため、途中で挫折しないためにも、雰囲気を味わっておくことは重要です
.Proでは実際の授業の雰囲気も見ることができ、講義開催日である土曜日に対面での個別相談も開催されています。
Aidemy Premium

Aidemy Premiumは、オンラインで学べるプログラミングスクールです。Aidemyでは、初心者から上級者まで、様々なプログラミング言語を学ぶことができます。
Aidemyでは、以下のようなプログラミング言語を学ぶことができます。
- HTML/CSS
- JavaScript
- Python
- Ruby
- PHP
- Java
Aidemy Premiumでは、ビデオ講義や実践問題を通じて、ハンズオンで学ぶことができます。
また、学習を支援するために、専任のキャリアカウンセラーがいるほか、学習をサポートするSlackコミュニティも用意されています。
Aidemy Premiumでは、さまざまなプランが用意されており、月額料金や有効期限が異なります。
アイデミー(Aidemy Premium)の主なコース | 習得できるスキル |
---|---|
AIアプリ開発コース | Python/HTML・CSS/Git/Flask(PythonのWEBアプリフレームワーク)/機械学習/WEBスクレイピング |
データ分析コース | Python/Pandas/Numpy/機械学習(教師あり・教師なし)/データクレンジング/時系列解析/ディープラーニング |
自然言語処理コース | Python/Pandas/Matplotlib/機械学習(教師あり・教師なし)/自然言語処理/ディープラーニング |
ビジネスAI活用講座 | DX入門/AIマーケター育成コース/Python/Numpy/機械学習/AIリテラシー/ビジネスへのAI活用 |
運営元 | 株式会社アイデミー |
本社 | 東京都千代田区神田小川町一丁目1番地 山甚ビル3F |
料金 | プレミアムプラン 3ヶ月/327,800円(税込)〜 |
学習内容 | Python基礎・データ操作・アルゴリズムなど |
受講形式 | オンライン |
そのほかのPythonが学べるおすすめのプログラミングスクールは、こちらの記事で詳しく解説しているので、参考にしてみてください
>>>pythonを学ぶのにおすすめプログラミングスクールTOP5
PythonのAIフレームワークについて解説 まとめ

主要なAIフレームワーク
- TensorFlow
- Keras
- PyTorch
主要なWebフレームワーク
- Django
- Flask
- bottle