AI分野の進展により、Pythonエンジニアへの関心が高まり、多くの人々がフリーランスとしてのキャリアを目指すようになりました。
2020年時点で、Pythonエンジニアの需要は供給を大きく上回る状況にあります。
さらに、新型コロナウイルスの影響や働き方改革の流れにより、フリーランスという働き方が社会的にも認知されつつあります。
本記事では、未経験からPythonフリーランスエンジニアとして開業している筆者が、未経験からフリーランスのPythonエンジニアになるための方法を紹介します。
需要が供給を上回ると予想されるPythonフリーランスエンジニアとしてのキャリアを検討している方々にとって、この記事が理想の働き方を実現するための一助となれば幸いです。
- ミッドワークス:週3日からの参加が可能で、実務経験が3年以上あるエンジニアに対して、正社員に匹敵する保証と共に高額な案件を数多く紹介。
ただし、副業としての利用は対象外です。 - レバテックフリーランス:リモートワークで週4日以上働ける案件を豊富に取り揃えており、契約更新率93.2%を誇る国内最大級のフリーランスエージェント。
週3日以下の場合は、高いスキルが求められます。 - ココナラエージェント:週4日以上働ける方に最適で、専門スキルを持つエージェントが多数在籍しており、100%直接契約の案件のため、高単価の仕事が多いのが特徴。
- Tech Stock:週4日以上の稼働が可能で、エンジニアとしての経験が3年以上ある方を対象にしています。
報酬は翌月の15日に支払われ、月収80万円を超える案件も多く揃えています。
筆者について
2021年から本格的にPython学習を始め、今ではPythonによる収益化に成功しフリーランスエンジニアに
大学院時代には、R言語とPythonを使って統計処理を行っていたため、Pythonを使ったデータサイエンスの知識が豊富
医療データを機械学習を用いて解析したり、学会発表も行なっている
Contents
未経験でもPythonでフリーランスになれる?
たとえ未経験であっても、Pythonフリーランスエンジニアになることは可能。
実際に、未経験者を対象にした求人も存在します。
Pythonはその直感的な構文により、初学者にも学びやすい言語とされています。
ただし、Pythonを用いたプロジェクトや業務は、他のエンジニアリングの分野と比較して高度なものが多いと言われています。
そのため、学習には相応の決意と努力が必要になるでしょう。

Pythonの将来性
Pythonフリーランスエンジニアの需要は、今後も安定して継続すると予測されています。その理由は以下の三点に大別されます。
- 圧倒的な人材不足
- 機械学習での使用
- データサイエンティストの需要増加
これらの点から、Pythonフリーランスエンジニアとしてのスキルを持つことは、将来にわたって安定したキャリアを築く上で非常に有利と言えるでしょう。
人材不足
Pythonフリーランスエンジニアの需要が高まっている背景には、そのスキルセットが多様な産業で活用されていることがあります。以下にその理由を詳述します。
人材不足
世界中でPythonフリーランスエンジニアの需要は高まっていますが、特に日本では2030年までに約45万人のエンジニアが不足すると予測されています。
このような状況は、未経験者にとっても市場に参入する大きなチャンスを意味しています。
教育・トレーニングのハードル
人材不足を補うためには、新たなエンジニアの教育とトレーニングが必要ですが、これには時間がかかります。
したがって、短期間でこのギャップを埋めることは難しく、長期にわたってPythonフリーランスエンジニアへの需要が続くことが予想されます。
多様な応用分野
Pythonはその汎用性の高さから、ウェブ開発からデータサイエンス、AI開発まで幅広い分野で使用されています。
これらの分野が今後も成長を続けることが予想されるため、Pythonフリーランスエンジニアのスキルは価値を保ち続けるでしょう。
以上の点から、Pythonフリーランスエンジニアとしてのキャリアは、未経験者でも始めやすく、また長期的に見ても安定した需要が見込まれる分野であると言えます。
機械学習での使用
Pythonが機械学習分野で広く使用されていることは、Pythonフリーランスエンジニアにとって大きなチャンスです。
機械学習の普及
機械学習は、データを解析し、予測モデルを構築するための技術です。
この分野は、AIの進展とともに急速に成長しており、多くの業界でその応用が見られます。
Pythonの役割
Pythonは、その読みやすい構文と豊富なライブラリにより、機械学習プロジェクトにおいて主要な言語の一つとなっています。
特に、TensorFlowやPyTorchなどのフレームワークがPythonで利用可能であり、これらは機械学習の研究や開発に広く用いられています。
企業の競争
AI技術を活用することは、企業にとって競争優位を確保する上で重要です。
そのため、企業は優秀なPythonフリーランスエンジニアを確保するために高い報酬を提供する傾向にあります。
人材の不足
しかし、現在の市場ではPythonを使った機械学習のスキルを持つエンジニアが不足しています。
このスキルギャップは、新たなエンジニアにとって市場に参入する絶好の機会を提供しています。
未経験から機械学習を学ぶのは確かに挑戦的ですが、この分野での専門知識は非常に価値が高く、継続的な学習と実践を通じて得られる報酬も大きいです。
したがって、機械学習やデータサイエンスに興味がある方は、Pythonの学習を通じてこれらの分野に進出することを検討すべきでしょう。
データサイエンティストの需要増加
データサイエンティストの役割と市場価値について、次のように説明することができます。
データサイエンティストの業務
データサイエンティストは、膨大なデータセットから有益な洞察を引き出し、予測モデルを構築し、データ駆動型の意思決定を支援する専門家。
Pythonは、データ分析やデータ可視化、統計モデリング、機械学習など、これらのタスクを実行するための主要なツールの一つです。
市場価値の高まり
デジタルトランスフォーメーションの進展により、企業はデータを戦略的資産として認識し始めています。
データサイエンティストは、このデータを分析し、ビジネスインテリジェンスを提供することで、企業の成長と競争力を支える重要な役割を担っています。
人材の不足
データサイエンスは比較的新しい分野であり、高度な専門知識を要するため、熟練したデータサイエンティストはまだ十分に供給されていません。
このスキルセットを持つ人材は、多くの業界で高い需要があります。
将来の需要
ビッグデータの活用は今後も増加すると予想されており、データサイエンティストの需要はさらに高まるでしょう。
企業は、データを活用して新たなビジネス機会を見つけ出し、競争上の優位性を確立するために、データサイエンティストを求め続けると考えられます。
Pythonフリーランスエンジニアやデータサイエンティストとしてのキャリアを目指す人にとっては、これらの点が大きな動機となり、学習とキャリア形成において重要な指針となります。
データの価値が高まるにつれて、これらのスキルを持つ専門家への投資も増え、彼らの市場価値はさらに高まるでしょう。
Pythonでできること
Pythonを駆使してフリーランスとして独立する際には、自分がPythonを活用して取り組みたい分野を明確に定めることが重要です。
Pythonはその汎用性の高さから多岐にわたる分野で利用されているため、スキルを身につけただけでは、フリーランスとしての活動範囲が広がりすぎてしまうことがあります。
自分の興味や強みを理解し、「何を成し遂げたいか」を明確にすることで、フリーランスとして成功への道が拓けます。
Pythonを用いて実現可能な仕事の範囲は広く、「機械学習」「自動化プロセス」「ウェブスクレイピング」「ブロックチェーンの開発」「アプリケーションの構築」などが挙げられます。
これらはPythonの応用例の一部に過ぎませんが、フリーランスとしての方向性を定める上で参考になるでしょう。
機械学習
Pythonを活用した機械学習は、コンピュータに自己学習の能力を持たせる技術として、現代のAI業界において中心的な役割を担っています。
AI分野の進展に伴い、機械学習への需要は今後も拡大していくと予想されます。
この技術は、データから学習し、新たな情報を予測する能力をコンピュータに与えることで、多くの産業で革新をもたらしています。
実際に私は、機械学習を活用して、30日後の株価を予測する「AI株価予測サービス」を開発しました。
未経験でも機械学習を使ったWebアプリケーションを開発することはできます
自動化
人間の手による煩雑な作業をコンピュータが代行する自動化技術は、業務の効率化やコスト削減に大きく寄与しています。
自動化の応用例には、トヨタ自動車の自動運転車や、製造工程の自動化などがあります。
これらの技術は、作業の速度と精度を向上させると同時に、人的資源の削減にも繋がり、多くの企業が自動化技術の導入に積極的です。
自動化で私が開発したのは、気になるサイトのキャンペーン情報を一括でメール送信してくれる機能です。
さまざまなWebサイトでキャンペーンを行っているため、一つずつ確認している時間はありません。
そこで、正規表現を用いて、自動でキャンペーン情報をメール送信するように実装しています
多すぎるキャンペーンを監視してキャンペーンが開始したらメールで通知するプログラム
スクレイピング
スクレイピングは、Web上から画像、テキスト、大量のデータを自動的に収集する技術。
特定のルールや条件を設定することで、短時間に効率的に情報を集めることができます。この技術は、データ分析や市場調査など、多岐にわたる分野で利用されています。
以下のプログラムは自動化とスクレイピングを組み合わせて実装しています
多すぎるキャンペーンを監視してキャンペーンが開始したらメールで通知するプログラム
ブロックチェーン開発
ブロックチェーン技術は、ビットコインをはじめとする仮想通貨(暗号通貨)の台頭により、大きな注目を集めています。
この技術は、インターネット上での金融取引をより安全に行うためのもので、取引の記録を複数のネットワーク参加者が分散して保持することで、改ざんのリスクを大幅に減らすことができます。
ブロックチェーンは金融分野に限らず、契約の管理やサプライチェーンの透明性向上など、多様な応用が期待されています。
アプリケーション開発
Pythonの汎用性により、多岐にわたるアプリケーション開発で活用されています。
その代表例として、世界的に利用者数が多いYouTubeやInstagramが挙げられます。
これらのプラットフォームはPythonを基盤として構築されており、Pythonの柔軟性とスケーラビリティが大規模なサービスの開発と運用を支えています。
Pythonフリーランスに未経験からなるためのステップ
未経験からPythonフリーランスエンジニアになるためには、以下の3つのステップを踏むことが重要です。
学習
未経験からPythonフリーランスエンジニアを目指す方にとって、Pythonのスキルを習得することは必須。
もしお金と時間が許せば、プログラミングスクールでの学習が効果的です。
スクールでは、専門的な指導のもと、体系的に学べるだけでなく、ポートフォリオの作成や転職エージェントを利用するステップを省略できることもあります。
しかし、全ての方がスクールに通えるわけではありません。
そういった場合は、オンラインでの学習がおすすめ。
Pythonを学ぶためのオンラインリソースは豊富にあり、無料で学べるYouTubeチャンネルも多数存在します。
学習を効率的に進めるためには、「実際に手を動かして学ぶ」というアクティブラーニングが重要です。
単に動画を見るだけではなく、実際にコードを書き、プログラムを動かすことで、理解が深まり、知識が定着します。
この「実践を通じて学ぶ」アプローチが、Pythonスキルの習得において非常に効果的です。
Pythonの基礎については、Youtubeで十分ですが、より発展した内容を動画学習したい場合には、キカガクがおすすめです

学習したことを元にポートフォリオ作成
スキルを身につけた後は、ポートフォリオの作成に取り組みましょう。
ポートフォリオとは、自分が開発した作品集のことで、自身のPythonスキルを客観的に示すための重要なツールです。
ポートフォリオを通じて、クライアントに対して自分の開発能力を証明し、信頼を築くことができます。
ポートフォリオがないと、仕事を獲得するのは一層難しくなるでしょう。
企業やクライアントは、あなたの技術力やプロジェクト遂行能力を見極めるために、具体的な作品や実績を求めます。
したがって、実際に手を動かし、自分のスキルを反映した質の高い作品を作成することが、フリーランスとしての成功には不可欠です。
私の場合には、実装したものをnoteで販売したり、ココナラでサービスを出品したりして、それらをポートフォリオとしてまとめていました。
インプットだけをするのではなく、アウトプットに比重を置いて、それをまとめることで、案件を取りやすくなると思います
とりあえず応募する
未経験でPythonの案件を手に入れるためには、積極的に応募することが重要です。
フリーランスとしての自由に活動するには、まずは実績を作ることが必要であり、未経験の段階では案件を選ぶよりも、案件に選ばれることを優先させるべきです。
未経験者が初めての案件を獲得するためには、100件近く応募することも珍しくありません。可能な限り多くの案件に応募し、チャンスを広げましょう。
応募する際には、ポートフォリオを提示し、クライアントがあなたに仕事を任せることのメリットを明確に伝えることが大切です。
また、フリーランスとして独立することに不安を感じる場合は、まずは企業で働きながら実績を積み、スキルを磨くことも一つの方法です。
これにより、独立後も安定して仕事を獲得しやすくなります。完全に独立する前に、副業としてフリーランスの案件を受けることで、無収入のリスクを避けつつ、徐々に独立への移行を図ることが可能です。
おすすめフリーランスエージェント
Pythonフリーランスに向いている人
フリーランスとして成功するためには、特定のスキルセットと個性が必要です。
以下は、フリーランスに適しているとされる人物の特徴です。
コミュニケーション力に長けている
フリーランスとして独立する際には、コミュニケーション能力が非常に重要。
以下は、フリーランスがコミュニケーションを取る際に意識すべきポイントです。
明確なコミュニケーション
案件を獲得するためには、自分のスキルや提供できる価値を明確に伝える必要があります。
クライアントが求めるニーズにどのように応えられるかを具体的に示すことで、信頼を築き、案件を獲得しやすくなります。
進捗報告の定期化
仕事を進める上で、定期的な進捗報告はクライアントとの信頼関係を保つ上で不可欠です。
予期せぬ問題が発生した場合には、早めに報告し、解決策を提案することが重要です。
交渉スキル
単価交渉はフリーランスの収入に直結します。自分のスキルと市場価値を理解し、適切な価格設定を行うことが大切です。
また、交渉時には柔軟性を持ちつつも、自分の立場をしっかりと主張することが求められます。
問題解決能力
仕事の途中で問題が生じた場合、クライアントに対して問題を報告するだけでなく、解決策を提案することができると評価されます。
リレーションシップ構築
長期的な関係を築くためには、単に仕事をこなすだけでなく、クライアントとの良好な関係を構築することが重要です。
信頼と尊敬に基づく関係は、継続的な仕事の流れを生み出します。
これらのコミュニケーションスキルは、フリーランスとしての成功に直結します。
案件獲得からプロジェクトの完了に至るまで、効果的なコミュニケーションはクライアントとの良好な関係を維持し、継続的な仕事を確保するための鍵となります。
自己管理ができる
自己管理はフリーランスにとっての大きな課題であり、成功の鍵を握る要素。以下は、自己管理を効果的に行うためのポイントです。
時間管理
フリーランスは自分で仕事のスケジュールを決める必要があります。
タスクごとに優先順位をつけ、日々のスケジュールを計画的に管理することが重要です。
目標設定
短期的および長期的な目標を設定し、それに向けての進捗を定期的にチェックします。
目標を達成するための行動計画を立て、それに沿って作業を進めることが大切です。
作業環境の整備
効率的に作業を進めるためには、整理整頓された作業環境を整えることが必要です。
物理的な環境だけでなく、デジタル環境の整理も含まれます。
健康管理
仕事のパフォーマンスを維持するためには、適切な睡眠、バランスの取れた食事、定期的な運動が不可欠です。
健康を管理することは、長期的なキャリアを維持する上で重要です。
ストレス管理
ストレスは避けられないものですが、それを管理する方法を見つけることが大切です。
リラクゼーションの技術を学び、ストレスを感じたときにそれを実践することが有効です。
財務管理
収入が不安定なフリーランスにとって、財務管理は生活を安定させるために不可欠です。
収入と支出を記録し、税金や保険などの責任を適切に管理する必要があります。
休息の確保
燃え尽き症候群を防ぐためには、適切な休息が必要です。定期的に休暇を取り、リフレッシュする時間を確保しましょう。
これらの自己管理のポイントを実践することで、フリーランスとしての生活をバランスよく、健康的に維持することができます。
自己管理がしっかりとできることは、フリーランスとして成功するための基盤となります。
約束(納期)を守れる
フリーランスとしての信頼を築くことは、継続的な仕事の流れを生み出すために不可欠です。以下は、信頼を築くための重要なポイントです。
納期の遵守
納期はクライアントとの約束です。
納期を守ることは、信頼性の高さを示す最も基本的な行動です。
品質の維持
提出する作業の品質を一貫して高く保つことで、クライアントの信頼を得ることができます。
コミュニケーションの透明性
作業の進捗に関しては、定期的にクライアントに報告し、必要に応じてフィードバックを求めます。
誠実さ
問題が発生した場合は、それを隠さずに正直に報告し、解決策を提案します。
プロフェッショナリズム
仕事に対する真剣な姿勢と専門性を持って取り組むことが、長期的な信頼関係を築く基盤となります。
追加価値の提供
クライアントの期待を超える価値を提供することで、単なる作業の提供者から信頼されるパートナーへと関係を深めることができます。
継続的な学習
常に最新の知識とスキルを身につけることで、クライアントに対して最高のサービスを提供し続けることができます。
信頼は一朝一夕に築けるものではありませんが、これらのポイントを心がけることで、徐々にクライアントからの信頼を勝ち取り、フリーランスとしての地位を確立することができるでしょう。
まとめ
確かに、未経験からでもフリーランスとしてPythonエンジニアになる道は開かれています。
未経験からスタートする場合は、基礎から応用までの学習が必要ですが、オンラインリソースやプログラミングスクールを活用することで、必要なスキルを効率的に身につけることができるでしょう。
そして、実際のプロジェクトを通じて経験を積み、ポートフォリオを構築することが、フリーランスとしての成功への鍵となります。
