近年AIに関する技術が注目を集めています
PythonはAIを実装することができるプログラミング言語の一つです
この記事では、AIの概要をお伝えし、実際にサンプルコードを使ってPythonでAIを実装していきたいと思います
また、PythonでAIを実装するための、AI向けライブラリとAIについての勉強方法も解説していきます
筆者について
2021年から本格的にPython学習を始め、今ではPythonによる収益化に成功
大学院時代には、R言語とPythonを使って統計処理を行っていたため、Pythonを使ったデータサイエンスの知識が豊富
医療データを機械学習を用いて解析したり、学会発表も行なっている
Contents
AIは3つに分類される

AIといっても、大きく3つに分類されています
AIと言って主に指すのは、人工知能のことが多いと思います、人工知能を構成するものに機械学習やディープラーニングも含まれています
この記事では、機械学習やディープラーニング全てを含めてAIと表現します

AI(人工知能)

AIとは、人間が持つような智能をもつコンピュータプログラムのことを指します。
AIは、人間のように思考や学習を行うことができ、自然言語や画像などの情報を処理することができます。
機械学習

機械学習は、コンピュータプログラムが自動的にモデルを構築して、予測や分類を行う手法を指します
機械学習は、人間が手作業でプログラムを書くことなく、大量のデータをもとに、自動的に学習を行うことができるため、データサイエンスや人工知能の分野でよく使われます
機械学習には、様々なアルゴリズムがあり、アルゴリズムは、異なる入力データに対して、異なる出力をするため、問題に応じて適切なアルゴリズムを選択することが重要です
ディープラーニング

ディープラーニングとは、ニューラルネットワークを使った機械学習の一種
ニューラルネットワークは、複数のニューロンを持つ多層のモデルで、入力データを受け取り、出力を生成することができます
ニューラルネットワークでは、ニューロンを繋ぎ合わせるエッジに重みが割り当てられており、重みは、学習過程で自動的に決定されるもので、入力データに対する出力を決定する役割を持ちます
ディープラーニングでは、ニューラルネットワークをより深い層数にし、より複雑なモデルを構築することで、より高度な処理を行うことができます
例えば、画像認識や音声認識、自然言語処理などで、高い精度を発揮することができます
AIを実装するには3つの機械学習について理解する

AIを実装するためには、3つの機械学習について理解する必要もあります
- 教師あり学習
- 教師なり学習
- 強化学習
教師あり学習

教師あり学習とは、正解ラベルを与えられたデータをもとに、モデルを構築する機械学習です
教師あり学習では、予め正解データを用意しておき、それをもとにモデルを構築することで、予測や分類を行います
教師あり学習でよく使われるものとして、
- 分類問題:ロジスティック回帰、サポートベクターマシン、決定木
- 回帰問題:線形回帰、リッジ回帰
などが挙げられます
教師あり学習では、あらかじめ正解データを用意するため、学習に必要なデータを用意する必要があります。
学習データを訓練データとテストデータに分けて、訓練データでモデルを学習させ、テストデータで汎化性能を評価することがよく行われます
教師なし学習

教師なし学習とは、正解ラベルを与えられないデータをもとに、モデルを構築する機械学習です
教師なし学習では、データに含まれる隠れた構造やパターンを抽出することで、データをグルーピングやクラスタリングすることができます。
教師なし学習でよく使われるものとして、k-means法や階層的クラスタリング、混合ガウス分布などが挙げられます
教師なし学習は、データのクリーニングや前処理が重要となります
そのため、生データをしっかりと見て、データの特徴を把握し、適切なアルゴリズムを選択する必要があります
強化学習

強化学習とは、エージェントが環境とやり取りをすることで、最適な行動を学習する機械学習です
強化学習では、エージェントが環境から受け取る報酬を最大化するように、行動を選択することで、学習を行なっていきます

強化学習には、様々なアルゴリズムがあります
例えば、「Q学習」は、行動を選択するためのQ値を求めることで、最適な行動を学習したり、「SARSA」は、状態と行動を同時に求めるアルゴリズムです
Pythonで強化学習を行うためのライブラリとして、次のようなものがあります
- OpenAI Gym: OpenAI Gymを使うことで、様々なタスクを設定して、エージェントを学習させることができます
- stable-baselines: OpenAI Gymを使った強化学習のためのライブラリです
table-baselinesでは、Q学習やSARSA、強化学習に基づく強化学習アルゴリズムを実装しており、簡単に強化学習を実装することができます。 - TensorFlow-Agents: Googleが提供する、TensorFlowを使った強化学習のためのライブラリ
TensorFlow-Agentsでは、深層学習を使った強化学習アルゴリズムを実装しており、高度な強化学習タスクを実現することができます。
PythonとAIの関係性

PythonはAIのうち、機械学習やディープラーニングの分野で、最もシェアを獲得しているプログラミング言語です
Pythonには、Numpyと呼ばれる数値計算のライブラリも用意されているため、AIを実装しやすいプログラミング言語になっています
また、AI案件を見てみると、その多くがPythonを必須言語としており、AIを実装するのに、Pythonを学ぶメリットが大きいです
活用事例

PythonでAIを実装することで、さまざまなアルゴリズムを開発することができます
例えば、YoutubeやInstagramのレコメンドでは、Pythonが可動しています
また、UberやSkyscannerの検索システムにもPythonは活用されています
ECサイトでは、Amazonでも活用されており、ユーザーが検索した情報を元に、レコメンドを表示させ、ユーザーのニーズを分析し、購買意向を高めるのに活躍しています
PythonのAIでできること

PythonのAIでできることは、いくつかあります
- 画像解析
- 自然言語処理
- 音声認識
- データ予測
画像解析

AIを活用することで、昔の白黒写真をカラー写真に復元したり、モザイク処理のされている画像から元の画像に戻す、という画像解析も可能です
また、スマホには画像を加工するアプリや機能がありますが、画像加工などもAI技術が活用されており、実現しています
自然言語処理

自然言語処理は、普段何気なく会話している言語を解析・処理してます
代表例で言うと、SiriやGoogleアシスタント、Google翻訳、DeepLなどが挙げられます
AIスピーカーなども自然言語処理が活躍しています
音声認識

AIを搭載した音声認識では、会議内容の文字起こしや議事録の作成などが可能です
また、発言した内容を、随時モニターに表示することもできます
データ予測

AIを使えば、株価や仮想通貨などの将来価格を予測することも可能です
将来価格を予測するためには、これまでの過去のデータが必要になりますが、過去データもPythonのスクレイピングなどで収集することができます
予測値と実測値を乖離させずに学習させることができるか?という点が、これからのデータ予測の課題になります
PythonのAIライブラリ

PythonでAIを実装するには、たくさんのライブラリがあります
- Scikit-learn
- Tensorflow
- Chainer
- PyTorch
- Numpy
- Pandas
- matplotlib
- seaborn
- Keras
Scikit-learn

教師あり学習・教師なし学習ともに利用可能で、Scilkit-learnの情報は豊富なため、AI初学者から上級者まで、幅広く利用可能です
Scilkit-learnには、特徴量抽出や前処理、モデルの評価など、機械学習に必要なツールや関数も用意されています
また、Numpyやpandas、TensorFlow、PyTorchなどとも連携することができます
Tensorflow

TensorFlowは、Googleが開発した、ディープラーニングを行うためのオープンソースのライブラリです
TensorFlowでは、ニューラルネットワークを構築するためのAPIを提供しており、高度な画像認識や自然言語処理、音声認識などを実現することができます
また、TensorFlowでは、GPUを使った高速な計算が可能であり、大量のデータを処理することができる一方で、個人で行うには、GPUの優れたパソコンを使用する必要があります
Chainer

Chainerは、ディープラーニングを行うためのオープンソースのライブラリです
日本の企業が開発したことから、日本語での資料が多く、AI初学者にとっては、学びやすいライブラリです
Chainerでは、Pythonを使って、モデルを定義し、学習や評価を行うことができます
拡張機能を使うことで、より深い学習モデルを開発することができます
- 画像認識を行なう際にはChainerCV(コンピュータービジョン)
- 化学・生物学分野を行なう際にはChainer Chemistry
- 強化学習のためにはChainerRL(Reinforcement Learning)
PyTorch

PyTorchは、Facebookが開発した、ディープラーニングを行うためのオープンソースのライブラリです
PyTorch自体はNumpyに操作方法が似ているため、Numpyを使用したことがある方であれば、スムーズに利用することができます
また、PyTorchの情報は豊富にあり、書籍もあるため、必要な情報を必要なタイミングで入手しやすいAIライブラリです
Numpy

NumPyは、Pythonで数値計算を行うためのライブラリです
NumPyを使うことで、大量の数値データを効率的に処理することができます
また、NumPyの配列は、行列のように、数値を格納することができ、NumPyの配列を使うことで、行列の演算や、線形代数的な処理を簡単に行うことができます
Pandas

Pandasでは、データを扱うための2つの主要なデータ構造が用意されています
1つは、Seriesと呼ばれる1次元配列のようなオブジェクトで、もう1つは、DataFrameと呼ばれる2次元の表のようなオブジェクトです
PandasのSeriesやDataFrameを使うことで、大量のデータを表形式で扱うことができます
データの前処理や集計、統計処理などもPandasで行うことができます
matplotlib

matplotlibは、Pythonでグラフを描画するためのライブラリです
matplotlibを使うことで、簡単に様々な種類のグラフを描画することができます。
matplotlibでは、折れ線グラフや棒グラフ、散布図やヒストグラムなど、様々なグラフを描画することができます
また、matplotlibでは、複数のグラフを重ねたり、軸や凡例などのグラフの要素をカスタマイズすることもできます
seaborn

seabornもmatplotlibと同じ、Pythonでグラフを描画するためのライブラリです
matplotlibで描画することができるグラフは、seabornでも描画することができますが、matplotlibに比べ、綺麗なグラフを描画することができるのが、seabornの特徴です

Keras

Kerasは、Pythonでディープラーニングを行うためのライブラリです
Kerasでは、ディープラーニングに必要な機能が豊富に用意されています
例えば、損失関数や最適化手法、評価関数などが用意されています。
また、Kerasは、TensorFlowやTheano、CNTKなどのバックエンドを使うことができます
PythonでAIを勉強する方法

Pythonを独学で学ぶ方法はいくつかあります
- 書籍で独学を行う
- Web教材で独学を行う
- プログラミングスクールに通う
1つずつ解説をしていきます
書籍で独学を行う

書籍を使って、Pythonを独学で行う方法はハードルが低く、プログラミング初心者の方におすすめの独学方法です
私がPythonの独学を進めるにあたり、参考にしたのは、次の書籍です
そのほかのおすすめ書籍や、Pythonの分野別書籍は、以下の記事で紹介しているので参考にしてみてください

Web教材で独学を行う

YouTubeやUdemyなどのWeb教材を活用することで、Pythonを学ぶことが出来ます
どちらも動画教材ですが、Youtubeは基礎、Udemyは応用を学ぶことが出来ます
まずはYouTubeでPythonに触れてみて、独学で学び進められそうだな、と感じたら、Udemyの有料教材を購入するのがおすすめです
そのほかに、ProgateやPaiza、ドットインストールもあるので、そちらも合わせて利用すると、学習効果が高まります
Progate | Paiza | ドットインストール | |
動画教材 | なし | あり | あり |
環境構築 | なし | あり | あり (ブラウザで利用可能) |
対応言語 | 16言語 | 31言語 | 15言語 |
月額料金 | 1,078円/月 | 1,078円/月 | 1,080円/月 |
教材数 | 無料会員:18 有料会員:84 | 無料会員:81 有料会員:1,417 | 無料会員:370 有料会員:7,000 |
質問機能 | 無料会員:なし 有料会員:なし | 無料会員:なし 有料会員:あり | 無料会員:なし 有料会員:あり |
講師 | 無料会員:なし 有料会員:なし | 無料会員:なし 有料会員:あり | 無料会員:なし 有料会員:あり |
プログラミングスクールに通う

PythonでAIをより学びたい場合には、プログラミングスクールに通うのがおすすめです
Pythonは独学で学ぶことができるプログラミング言語ですが、独学では時間がかかってしまうのと体系的に学ぶことが出来ません
自分の興味・関心のある部分を、つまみながら学習するため、Pythonの本質を理解するまでにも時間がかかってしまいます
そのため、費用はかかってしまいますが、プログラミングスクールの活用がベストです
スクールに通いながら、受けられそうな案件を受けることで、スクール代を回収することもできるので、ぜひチャレンジしてみてください
プログラミングスクールに通うことで、漏れなく体系的にPythonやAIについて学ぶことができます
.Pro

.Proでは「Python」のカリキュラムを4年前に作成して以来、常にアップデートを行っており、近年では業務効率化にも幅を広げています
AIやwebサービス・機械学習を学ぶ、プログラミング特化コースです。
.Proがおすすめなのは、
- プログラミング未経験だけど新しく挑戦したい
- 人とコミュニケーションをとるのが苦ではない
- すぐにでも転職できる実践型スキルを本気で身につけたい
といった人たちです
特に、.Proを受講する方の約9割はプログラミング未経験の方なので、初めてプログラミングに触れる、といった方でも安心して受講することが出来ます。
.Proの受講期間は6ヶ月と長期であるため、途中で挫折しないためにも、雰囲気を味わっておくことは重要です
.Proでは実際の授業の雰囲気も見ることができ、講義開催日である土曜日に対面での個別相談も開催されています。
Aidemy Premium

Aidemy Premiumは、オンラインで学べるプログラミングスクールです。Aidemyでは、初心者から上級者まで、様々なプログラミング言語を学ぶことができます。
Aidemyでは、以下のようなプログラミング言語を学ぶことができます。
- HTML/CSS
- JavaScript
- Python
- Ruby
- PHP
- Java
Aidemy Premiumでは、ビデオ講義や実践問題を通じて、ハンズオンで学ぶことができます。
また、学習を支援するために、専任のキャリアカウンセラーがいるほか、学習をサポートするSlackコミュニティも用意されています。
Aidemy Premiumでは、さまざまなプランが用意されており、月額料金や有効期限が異なります。
アイデミー(Aidemy Premium)の主なコース | 習得できるスキル |
---|---|
AIアプリ開発コース | Python/HTML・CSS/Git/Flask(PythonのWEBアプリフレームワーク)/機械学習/WEBスクレイピング |
データ分析コース | Python/Pandas/Numpy/機械学習(教師あり・教師なし)/データクレンジング/時系列解析/ディープラーニング |
自然言語処理コース | Python/Pandas/Matplotlib/機械学習(教師あり・教師なし)/自然言語処理/ディープラーニング |
ビジネスAI活用講座 | DX入門/AIマーケター育成コース/Python/Numpy/機械学習/AIリテラシー/ビジネスへのAI活用 |
運営元 | 株式会社アイデミー |
本社 | 東京都千代田区神田小川町一丁目1番地 山甚ビル3F |
料金 | プレミアムプラン 3ヶ月/327,800円(税込)〜 |
学習内容 | Python基礎・データ操作・アルゴリズムなど |
受講形式 | オンライン |
そのほかのPythonが学べるおすすめのプログラミングスクールは、こちらの記事で詳しく解説しているので、参考にしてみてください
>>>pythonを学ぶのにおすすめプログラミングスクールTOP5
PythonでAIを実装!AI向けライブラリと勉強方法も解説 まとめ

AIは3つに分類される
- AI(人工知能)
- 機械学習
- ディープラーニング
機械学習は3つに分類される
- 教師あり学習
- 教師なし学習
- 強化学習